部族のおきて
16年半の営業を振り返り、
わたしが一番悩まされてきたお客さまは、
どんなタイプのお客さまかと考えますと、
それは、
「自分好みの雰囲気でないときは、
何もしなくなってしまう方」
だったりします。
こういうタイプのお客さまが、
一番、困ってしまいます。
カップル喫茶で、
マナーの悪いお客さまというと、
「許可なく、勝手に手を出してしまう方」
というのが、
真っ先にイメージされるかと思いますが、
でも、こういうタイプの方は、
ご注意を申し上げれば、
大抵は、直してくださるので、
それほど困ることはありませんでした。
それにひきかえ、
自分好みの雰囲気でないと、
何もしなくなってしまうという方は、
何度、ご注意を申し上げても、
遊び方を直してくださらない方が多かったのです。
(どちらかというと、
年齢的に若めの方に多い傾向がありました)
そして、
どこか冷めたオーラを、
周囲に発してしまうことがありました。
カップル喫茶は、
とてもデリケートな空間ですので、
そのような冷めたオーラは伝染し、
次第に、全体を包み込むようになります。
すると、
ドキドキ、ワクワクの空間だったはずが、
まるでお通夜のような、
寂しい空間に変わってしまったりするんですよね。
それだけ、
1組のカップルさんの持つ影響力というものは、
すごく大きなものなのです。
(良い意味でも、悪い意味でも)
そのため、
エイジャでは、
そのような白けた雰囲気にならないよう、
相互鑑賞の雰囲気を大切にするということを、
皆さまにお守りいただいているのであります。
エイジャには、
片道2,3時間以上かけて、
遠方からお越しになる方や、
1年ぶり、2年ぶりに、
ようやく遊びに来れたという方も、
頻繁にいらっしゃいます。
そういう方にとっては、
その日を逃したら、
次にいつエイジャに来れるのか分かりません。
だから、
お店といたしましては、
白けた雰囲気にならないよう、
最大限気を付けなければならず、
そのため、
1日1日が勝負だったりいたします。
そういうこともあり、
エイジャの中にあっては、
相互鑑賞の雰囲気を、
大切にするということは、
「部族のおきて」
といっても過言ではないほど、
厳格なものであり、
このおきてを軽んじることは、
エイジャ村を追放されても仕方がないほど、
重大なことだったりするのであります。