限定されたひとつの可能性
長く営業してきて思うのは、
あらゆるカップルさんを満足させることができる
全てを兼ね備えた、
パーフェクトなカップル喫茶というものは、
存在しない、
ということであります。
エイジャの雰囲気をを好きで、
遊びに来てくれている方でも、
ほとんどの方が、
「エイジャも、
ここがもっとこうだったら、
最高なんだけどな」
そう思われているように感じます。
エイジャに対する不満として、
一番多いものは、やっぱり、
「会話が自由にできない」
ということだと思います。
もし誰かに、
「長年、エイジャをやってきて、
一番、大変だったことはなんですか?」
と聞かれたとしたら、
わたしは迷うことなく、
「会話を楽しむことと、ムードを楽しむことの、
バランスを取ることです」
と答えます。
わたしが優柔不断なこともあって、
この問題を解決するまでに、
12年かかってしまいました。
オープン以来ずっと、
会話とムードのバランスを取ろうと、
悪戦苦闘してきましたが、
12年経ったあるときふと、
「そもそも、
会話とムードのバランスを、
取ることなんて、可能なのだろうか。
それらは水と油のようなもので、
上手に融合させることなど、
どだい不可能なのではないか」
ということに、
長年の試行錯誤の末に、
ようやく気がついたのです。
どうして、気づくまでの間に、
そんなにも長い時間が、
かかってしまったかといえば、
その最大の理由は、
自分自身、お客さまとの会話を、
すごく楽しんでいたからだと思います。
それはいまでも変わりません。
それゆえに、
わたしが享受させていただいてる楽しみを、
お客さまにも楽しんでもらいたい、
という気持ちが、
ずっとわたしの心の中にありました。
でも、そのことが、
エイジャの営業を複雑なものにして、
そのために、
お客さまにご注意申し上げることが増え、
注意されたお客さまの気分を害してしまう、
ということにもなってしまいました。
そのことにはっきりと気がついてからは、
イベントの開催はいっさいやめ、
通常営業のみの営業にし、
相互鑑賞の雰囲気を大切にする、
ということを、
それまでよりも、一層強く、
押し出すことにしました。
エイジャは、
カップル喫茶での遊び方とししての、
ひとつの可能性を提示しているにすぎません。
同じカップル喫茶でも、
お店によって特徴はさまざまで、
それぞれのお店に、
それぞれの文化が存在するかと思います。
その中で、
人に迷惑をかけない限り、
どのように遊ぼうとも、
そのすべての遊び方が正しい、
と思います。
また、
カップルさんお二人で楽しむ、
エロチックな遊びは、
カップル喫茶に限定されるわけでもなく、
ハプバーもありますし、
お店に頼らず、SNS等を使って、
カップルさんと交流することもできます。
エイジャは、
そんな多種多様な遊び方の中でも、
とても限定されたひとつの可能性を、
ご提供することしかできないのであります。