自慢の一杯・その2
自慢の一杯とはいっても、
その一杯を作るのは、
わたしではなく、
お客さまであるというのが、
カップル喫茶遊びの
面白い特徴ではないかと思います。
作り手は、
お客さまなんですよね。
もっと言えば、
作り手だけでなく、
材料もお客さまですし、
作ったものを食べる(味わう)のも、
お客さまです。
全部、
お客さまなのです。
なので、
わたしは、ほとんど、
なにもやらなくてよいわけです。
ある意味、
詐欺みたいなビジネスですよね。
普通なら、
「なんで、マスターのために、
働かないといけないのだ。
しかも、お金を払っているのは、
こっちだぜ!」
と暴動が起こったとしても、
おかしくないように思います。
それなのに、なぜ、
暴動が起こらないかというと、
お店として、
やるべきことを、
まだまだ未熟ではあるけれど、
一応、
やらせていただいているからです。
(これからも精進させていただきます)
そして、
お店でやるべきこととは、
何かと言いますと、
レシピをご提供する、
ということになります。
「入店資格」、
「マナーとルール・遊び方」は、
カップル喫茶における、
レシピなんですよね。
「材料」は、
なんでも構わない、
というわけではありませんので、
「入店資格」という形で、
制限させていただいており、
「作り方」も、
お客さまそれぞれが
自由に作るとなりますと、
味が安定しませんので、
お店側で、
「マナーとルール・遊び方」を説明し、
なるべくそれに沿って、
作っていただくようにお願いしております。
そして、
コラムを書くのも、
レシピの説明の一環だったりします。
エイジャの雰囲気は、
とても繊細なところがありますので、
基本的なレシピを
ご理解いただけていないと、
「え!?そこで、そんな調味料入れちゃう!?」
みたいなことになりかねないんですよね。
また、
お腹が空いているからといって、
いきなり、締めのライスを鍋の中に、
ぶっ込んでしまうなんてことをして、
ほかのお客さまを、
驚かせてしまうなんてこともありえます。
って、
書いていたら、
ラーメンの比喩だったはずが、
鍋の比喩に変わってしまいました(笑)。
鍋は、時間の経過と共に、
野菜やお肉から出汁がでてきて、
味わいが変わってきますが、
カップル喫茶の雰囲気も、
同じようなところがありますので、
鍋の比喩のほうが
分かりやすいかもと思いました(笑)。
鍋を囲んでいると、
時間の経過と共に、
だんだんと和やかさが増していく、
という点も、
カップル喫茶遊びと
共通するところですよね。
次は鍋の喩えで、
説明を試みようかな。
って、すみません。
話がちょっと脱線しました。
レシピの話に戻します。
基本的なレシピは、
ご来店いただいた皆さまに、
ご理解いただかなければならないものですが、
とはいえ、
毎回、どんな場合にも、
その基本のレシピ通りに
作らないといけない、
というわけではありません。
レシピは、
材料の種類や量によって、
変わってくる場合もありますし、
また、
時間の経過によっても、
変わったりします。
なので、レシピは、
固定化されたものではないんですよね。
とはいえ、
基本的なレシピを
まったく無視してもよい、
というわけでもありません。
こういったところのニュアンスを
的確に表現することは、
とても難しく、
1本のコラムで完全に表現するのは、
不可能なことだったりしますので、
こんな風に、
コラムの数が年々増えているのであります。
すべては、
皆さまに至高の一杯を
味わっていただきたいがために。