昨日の営業が終わったのは、
深夜3時過ぎでした。
お腹が空いたぼくは、久しぶりに、
桜木町駅近くにあるラーメン屋
『一蘭』へ
エイジャ3号をブーンと飛ばし、行きました。
ここは店内が、『味集中システム』とかいって、
すべての席が仕切りで区切られているという、
独特な構造をしているお店です。
店の外に券売機が置いてあり、
食券を購入してから入ります。
ぼくは、その券売機に1000円札を入れ、
ラーメン750円のボタンと追加ねぎ100円のボタンを押し、
出てきた食券を取ろうとしたら、
食券が出てくる受け皿の中に、
以前はなかった張り紙がしてありました。
「食券を風で飛ばされないように気をつけて下さい」
それを読んで思わずぼくは
ぷっと吹き出してしまいました。
こんな張り紙あるということは、
これまでに食券が風で飛ばされ、
あたふたと困ってしまった人がいるのだろう。
それも一人や二人の数ではない。
どのくらいかは分からないけれど、
それなりの人数の人が
気まぐれな風のいたずらの被害者になったのだ。
このラーメン屋はとにかく人気があるから、
風で飛ばされてしまった不運な人は、
食券をを買おうと行列を作っている人達の前で、
「ああ〜〜!」と情けない言葉を発し、
その食券を追いかけねばならないという、
辛い宿命を背負わされてしまうのだ。
運良く、食券を捕まえる事が出来た人はまだいい。
不幸中の幸いだ。
でも、食券が遠く彼方に飛ばされ、
その行方を見失ってしまった人はどうするのだろう。
大勢の人に哀れみに満ちた目を向けられ、
また再び、食券を買う為に並ぶのだろうか。
それとも、お店の中に入り、
スタッフを呼び出し、
わが身に突然襲い掛かった不運を主張するのだろうか。
その際、目撃者は多数いるだろうから、
その主張はすんなり通ることだろう。
でも、どちらも、小心者で恥ずかしがり屋のぼくにとっては、
とても勇気がいる行為だ。
恐らくぼくが当事者になったら、
飛ばされた食券を追いかける振りをして、その場を立ち去り、
角を曲がったところにある松屋に入って、
豚ドン並み盛り330円を涙を流しながら食べているだろうな。