カップル喫茶遊びって、

じつに粋な遊びだなあ、

と思うことがあります。



以前、

ある会員さんから

聞いた話なのですが、

その会員さんと、

もう1組の会員さんが、

個室で2組のみという状況で、

お互い、まったく、

言葉を交わしていないにも関わらず、

あ・うんの呼吸で、

めくるめく相互鑑賞の雰囲気が

作り上げられていったそうです。


その会員さん曰く、

こちらが、こう見せれば、

あちらは、ああ見せる。



そうしているうちに、

お互いのボルテージが、

どんどん、上がっていく。



まったくの初対面で、

言葉もひと言を交わしていないのに、

お互いにどこか通じるものを感じている。



こちらが、こう見せれば、

あちらは、


「お。そうきましたか。はいはい。

じゃあ、こっちは、これでいくとしますか」


という具合に、

見せつけてくる。



そういうことを繰り返しながら、

お互いのテンションを

MAXにまで上げていく。



それは、

どちらかが力尽きるまで、

続くのだそう。



こういったことは、

時々あるそうで、

時には、

途中、

多少の休憩も入れながら、

2時間くらい延々と続くこともあるのだとか。



もちろん、その間も、

お互いにひと言も言葉を交わさないそうです。



そして、

めくるめく饗宴のひと時が終わりを迎え、

最後に、席を立つとき、

お互いに、小さくお辞儀だけ交わし、

別れを告げるのだそうです。


まるで、

実力が拮抗している

武道の達人同士が、

緊迫した試合を終えたときのような趣きです。


「今日は、

お手合わせをいただきありがとうございました」


ということを口には出さないけれど、

お互いに態度で示すということです。



わたしは、その話を聞いて、


「なんて粋な遊び方なんだ！」


と非常に感動してしまったのでした。