木曜日は、 ひるわけ休みでした。
普段のオープン時間である、 13時を少し過ぎたところで起き、 ダラダラと過ごしながら、 夜の部の営業時間まで何をしようかと考え、 結局、考えても「これぞ!」というものが思いつかず、 「もう一回寝ようか」とも思ったのですが、 「いやいや、折角の休みをそれじゃあもったいないぞ」 と思い直し、 特に映画を観たい気分でもなかったのだけど、 無理やりにでも、 「おれはインディージョーンズが観たかったのだ」 と自分で自分に思い込ませ、 そうと決まったら、上映時間を調べると、 一番早いのが3時45分で、時間にも余裕があったので、 シャワーを浴び、ゆっくりと身支度を整えて、 「さあ、そろそろ出発するかな」という時でした。
わたしの携帯電話が鳴ったのは。
ディスプレイには、 御仁の名前がでていました。
「お久しぶりです〜」とわたし。
「今日はひるわけ休みですよね。 何をしていたのですか」
「いや〜、これからインディージョーンズでも 観に行こうかと思っていたところです」
「ああ、そうだったのですか。 じつはいまわたし、近くにいるんですよ」
「ほんとですか。じゃあ、一緒に遊びましょうよ」
「いいですけど、 インディージョーンズは観ませんよ」
「ははは。分かりました。 ではどこで、何をしましょうか」
「うーん、お酒を飲むには中途半端な時間ですしね。 またとりあえず、会ってから決めましょうか。 とりあえず、そちらに向かいます」 御仁は言うと、電話が切れました。
いつも行き当たりばったりなところが、 お互い自称ニートの御仁とわたしの特徴です。
しばらくして、 お店の黒扉をカンカンと鳴らす音が聞こえたので、 わたしは御仁だろうと思い、 誰かを確認することなく開けました。
そこでわたしが見たものとは!
真っ黒に日焼けをした御仁でありました。
高校野球ファンの御仁は、 連日のように横浜スタジアムに通いつめ、 すっかり高校球児よりも、黒くなっておりました。
「どこに行きましょうか」とわたし。
「新横浜ラーメン博物館なんていかがでしょうかな」
「お。それは面白そうですね。そうしましょう、そうしましょう」
そうと決まれば話は早く、 御仁のためのヘルメットを用意し、 バイクで二人乗りをして、駐車場へと向かいました。
ちなみに、御仁はバイクの後ろに乗ったのは、 20年ぶり以上とのことでした。
まさかわたしの運転するバイクの後ろに乗ろうとは、 さすがの御仁も夢にも思わなかったことでしょう。
とにかく、御仁を乗せたエイジャ号は、 程なくして駐車場に到着し、 それから車に乗り換えて、我らがニートご一行様は、 新横浜へと向かいました。
道中、うんこネタで盛り上がっているうちに、 ラーメン博物館に到着。
入場料300円を払い、入館すると、 その昭和33年を再現したという館内に、 わたしは大興奮してしまいました。
ほんと、細部に渡って凝りに凝って、 昭和33年の日本が現れていました。
結局、わたしと御仁は、 しょうゆ、とんこつ、塩の3種類のラーメンを、 それぞれ違う店で食べ、 途中、ラムネを飲み、 最後には喫茶店に入り、 わたしはソフトクリームとホットコーヒーを、 御仁はアイスコーヒーを飲み、 それからお土産屋さんでお土産を買って、 ラーメン博物館をあとにしたのでありました。 |